7.不動産広告における「距離」と「時間」について

7.不動産広告における「距離」と「時間」について

こんにちは。

 

不動産広告では、「〇〇駅から徒歩7分」というような表示を見かけますね。

今回は、不動産広告における「距離」と「時間」について記します。

 

建物の解体は、有限会社エイキ

 

 

1.基本は、80mで徒歩1分

 

 

・起点から終点までの「距離と時間の換算方式」は、「80mの距離を徒歩1分」と計算します。
(例)駅から物件まで80mならば、徒歩1分と表示されます。

・端数は切り上げです。
(例)30mは徒歩1分。90mは徒歩2分。170mは徒歩3分です。

・信号や踏切や横断歩道での待ち時間、および坂道や歩道橋の上り下がり時間は0分です。
(例)実際は10分の開かずの踏切でも0分とします。実際は信号待ち時間が5分でも0分とします。

・「分速80m」という基準は、「健康な女性がハイヒールを履いて歩いた時」の歩行速度を元にしたという説が有力です。

 

 

2.起点・終点を計る場所について

 

 

・駅は、物件に一番近い出入り口が起点・終点となります(改札口やホームではありません)。
したがいまして、地下鉄の場合、実際のホームや改札口から地上の出入り口まで距離があり時間が必要であっても、それは0mであり0分として計算します。

・物件の敷地の中で、駅から最も近い箇所が、距離計算の起点となります。大規模マンションの場合も同様ですので、入り口から玄関までの距離と時間は除外され、0mであり0分計算となります。

 

 

3.不動産までの時間は、歩いて調べる

 

 

不動産広告における距離と時間については、1章と2章に記しました通り基準があります。

しかし、基準はあくまで基準です。

実際にお歩きになってお調べになるのがよろしいです。

踏み切りの待ち時間、上り坂を昇る実際の時間、地下鉄のホームから地上の出入り口までの時間。

これらは特に実際に歩いて体感と計測なさってください。

 

 

4.不動産公正取引協議会連合会の自主ルール

 

上記の件は、不動産公正取引協議会連合会の自主ルールである「不動産の表示に関する公正競争規約」に基づいています。

(法律においては、「不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)第31条第1項)

 

以下に、「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」の第5章第1節第10条、「交通の利便性」(第3号~第7号)と「各種施設までの距離又は所要時間」(第8号~第11号)までを引用します。

〔交通の利便性〕

(3) 交通の利便については、次の基準により表示すること。

ア 公共交通機関を利用することが通例である場合には、次により表示すること。
(ア) 鉄道、都市モノレール又は路面電車(以下「鉄道等」という。)の最寄りの駅又は停留場(以下「最寄駅等」という。)の名称及び最寄駅等からの徒歩所要時間を明示して表示すること。
(イ) 鉄道等の最寄駅等からバスを利用するときは、最寄駅等の名称、最寄駅等から最寄りのバスの停留所までのバス所要時間及び同停留所からの物件までの徒歩所要時間を明示して表示すること。この場合において、停留所の名称を省略することができる。
(ウ) バスのみを利用するときは、最寄りのバスの停留所の名称及び同停留所から物件までの徒歩所要時間を明示して表示すること。
イ 公共交通機関を利用しないことが通例である場合には、物件の最寄駅等までの道路距離を表示すること。

(4) 公共交通機関は、現に利用できるものを表示し、特定の時期にのみ利用できるものは、その利用できる時期を明示して表示すること。ただし、新設の路線については、現に利用できるものと併せて表示する場合に限り、路線の新設に係る国土交通大臣の許可処分又はバス会社等との間に成立している協定の内容を明示して表示することができる。
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(5) 新設予定の鉄道、都市モノレールの駅若しくは路面電車の停留場(以下「駅等」という。)又はバスの停留所は、当該路線の運行主体が公表したものに限り、その新設予定時期を明示して表示することができる。

(6) 電車、バス等の交通機関の所要時間は、次の基準により表示すること。
ア 起点及び着点とする駅等又はバスの停留所の名称を明示すること。この場合において、最寄りの駅等からバスを利用する場合であって、物件の最寄りの停留所までのバスの所要時間を表示するときは、停留所の名称を省略することができる。
イ 乗換えを要するときは、その旨を明示すること。
ウ 特急、急行等の種別を明示すること。
エ 通勤時の所要時間が平常時の所要時間を著しく超えるときは、通勤時の所要時間を明示すること。この場合において、平常時の所要時間をその旨を明示して併記することができる。
オ 通勤時に利用することができない電車、バス等の交通機関による所要時間を表示するときは、その旨を明示し、かつ、通勤時に利用することができる電車、バス等の交通機関による所要時間を併記すること。

(7) 自動車による所要時間は、道路距離を明示して、走行に通常要する時間を表示すること。この場合において、表示された時間が有料道路(橋を含む。)の通行を含む場合のものであるときは、その旨を明示すること。ただし、その道路が高速自動車国道であって、周知のものであるときは、有料である旨の表示を省略することができる。

〔各種施設までの距離又は所要時間〕

(8) 道路距離又は所要時間を表示するときは、起点及び着点を明示して表示すること(他の規定により当該表示を省略することができることとされている場合を除く。)。

(9) 団地(一団の宅地又は建物をいう。以下同じ。)と駅その他の施設との間の距離又は所要時間は、それぞれの施設ごとにその施設から最も近い当該団地内の地点を起点又は着点として算出した数値を表示すること。ただし、当該団地を数区に区分して取引するときは、各区分ごとに距離又は所要
時間を算出すること。

(10) 徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示すること。この場合において、1分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること。

(11) 自転車による所要時間は、道路距離を明示して、走行に通常要する時間を表示すること。

附 則
この規則の変更は、公正取引委員会及び消費者庁長官の承認があった日(平成27年12月4日)から施行し、平成27年4月1日から適用する。

 

 

 

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